『社会・からだ・私についてフェミニズムと考える本』
2020年12月25日 発売
フェミニズムは、社会を問い、制度を問い、人々の価値観を問うてきた。この本では、そんなフェミニズムについて、改めて「からだ」という観点から考える。
セックスワーク、トランスジェンダー、ルッキズム、アスリート、写真や表現、ミソジニー……etc. いくつもの論点や視点を行き来しながら、個人的なものであり社会的なものでもある、私たちの「からだ」の広がりについて考え、そこにいる他者とのつながりをフェミニズムとともに模索する。
月歩第2号のテーマは「フェミニズム」
近年、盛り上がりを見せているフェミニズム。月歩2号では、そんなフェミニズムを前提としながら、現場で活動する方々や若い方々に書いていただいた論考やインタビューを通して、社会、からだ、私について考える。
私たちにとって「からだ」は労働の資本であり、多くのコミュニケーションにおいて他者とのかかわりの基盤であり、表現活動のツールでもあり、個人的なものでありながらも社会的なものだ。そういった「からだ」の様々な役割にスポットライトを当てている。
「からだ」をめぐる、様々なインタビューや論考を掲載
月歩2号には、「そこにいる誰かをいないことにしない」ということを大切にしながら、多岐にわたるテーマの文章を掲載した。
「尊厳があるかないかではなく、しんどさの意味の平等を」は、セックスワーカーの健康と安全のために活動するグループ、SWASH代表の要友紀子さんによる、セックワークに対する差別や偏見についての論考だ。
鈴木みのりさんの「取るに足らないおしゃべりの中から」は、アメリカでの「Black Trans Lives Matter」の活動などを紹介し、一人一人の抱える差異を認識しながら共通の目標を持って緩やかにつながっていく可能性について教えてくれる。
インタビュー「誰かを排除しないスポーツ界へ」では、日本社会やスポーツ界で日々感じる違和感や理不尽について、女子サッカー選手である下山田志帆さんに話をうかがった。
写真家のインベカヲリ★さんのインタビュー「モデルとの関係性から考える、『表現者としての被写体』」では、被写体の主体性に軸を置いた表現活動について語っていただいた。
「生活の批評誌」編集長である依田那美紀さんには「『ルッキズム』とどうやって生きてきたか -なかったことにしないための往復書簡」を通して、自分の中にあるミソジニーやルッキズムについて言葉にしていただいた。
オーガニックゆうきさんの書き下ろしの中編小説「龍とカナリア」は、身体や匂い、コミュニティ、アイデンティティなどをテーマにしたジェンダーSF作品だ。
この本が、社会とからだと私の置かれている状況について、広がりの中で考え、そこにいる他者の存在とのつながりを模索するきっかけになってくれたら、それ以上に嬉しいことはない。
『社会・からだ・私についてフェミニズムと考える本』
目次
第1章 どのような姿勢で 社会問題について考えるべきか
「尊厳があるかないかではなく、しんどさの意味の平等を」
要 友紀子
「取るに足らないおしゃべりの中から」
鈴木 みのり
インタビュー「誰かを排除しないスポーツ界へ」
下山田 志帆
第2章 自分自身を振り返りながら、人との関係性を考える
インタビュー「モデルとの関係性から考える「表現者としての被写体」
インベカヲリ★
往復書簡「ルッキズム」とどうやって生きてきたか─なかったことにしないための往復書簡
依田那美紀・井上彼方
小説「龍とカナリア」
オーガニックゆうき
月歩双書02
『社会・からだ・私についてフェミニズムと考える本』
井上彼方 編
要 友紀子/鈴木 みのり/下山田 志帆/インベ カヲリ★/依田 那美紀/オーガニック ゆうき
2020年12月25日(金)発売
社会評論社
四六判160頁
価格:900円 +税
ISBN:978-4-7845-4146-1
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