シェアサイクルが新たな移動手段に
NAVITIMEにシェアサイクル導入
株式会社ドコモ・バイクシェアと、株式会社ナビタイムジャパンは、27日より、ナビゲーションアプリの『NAVITIME』にて、ドコモ・バイクシェアが提供する『bike share service』を利用した「シェアサイクルルート」の提供を開始すると発表した。将来的には、付近のサイクルポート(自転車のステーション)検索や、予約機能の連携に対応する予定だという。
貸出可能な台数も表示
これまで、NAVITIMEのルート検索では、電車や車、バス、飛行機などを駆使して出発地から目的地までのルートを検索することができた。ここに新たに、シェアサイクルが移動手段として加えられることになったのだ。さらに、ルートの検索結果画面には、対象となるサイクルポートで貸出可能な自転車の台数を表示してくれる機能も搭載。既存の交通機関にはないシェアサイクル特有の課題にも対応してくれているのだ。
シェアサイクルが新たな選択肢に
今回、ドコモ・バイクシェアとナビタイムジャパンが発表した連携は、シェアサイクル界全体にとって大きな意味を持つ。シェアサイクルが、電車やバスと並ぶ日本における公共の交通手段となる第一歩を踏み出したのだ。アメリカを中心とする海外では、現在、シェア電動キックスクーターが大流行している。タクシーや車に乗る金銭的余裕はないが、歩くほどの時間的余裕もない都会暮らしの人々に重宝されている。時代が移り変わるとともに、新たな交通手段に需要が生まれるのは必然だと言える。日本では法規制の問題でシェア電動キックスクーターの参入は難しいと見られるが、日本人が長らく親しんできた自転車を利用するシェアサイクルであれば話は別だ。終電を逃してもタクシーが利用できない若者や、駅から目的地まで革靴やヒールで歩かなければならなかった社会人にも需要があるだろう。
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全国26都市で展開する『bike share service』
今回NAVITIMEに搭載された「シェアサイクルルート」が対応している地域は、東京都内のみ。今後エリアを拡大していく予定だという。ドコモ・バイクシェアの『bike share service』自体は、東京だけでなく、横浜や大阪など、全国26都市でサービスを展開している。おサイフケータイや交通系のICカードに対応していることや、提供される自転車に電動アシストが付いていることなどが特徴だ。
シェアサイクル戦国時代へ
同じくシェアサイクルを展開するecobikeは、親会社であるアパマン(APAMAN株式会社)が持つ全国規模の基盤を背景に着実に拡大を続けている。今回、ドコモ・バイクシェアはナビゲーションアプリとの連携で、普段公共の交通機んを利用する層への浸透に先手を打った格好となる。シェアサイクル産業自体が拡大を続けて行く中で、どのプレイヤーが中央に踊り出るのか、しばらく目が離せそうにない。
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