個別指導のスタートアップ Vygo が50万ドルを調達

投稿日:2019年1月10日 更新日:

個別指導のスタートアップ Vygoが50万ドルを調達

教育にもシェアリングエコノミーを

オーストラリアのブリスベンを拠点とする個別指導(チュータリング)のスタートアップ企業・Vygo(ヴァイゴ)が、50万ドル(約5,550万円)の資金調達に成功した。Vygoは、2017年にベン・ハレット、ジョエル・ディトラぺニ、スティーヴン・ハスティの三人によって設立された。勉学において支援が必要な学生と、特定の教科に自信がある学生をアプリでマッチングする仕組みで、教育にシェアリングエコノミーを取り入れたとして注目を集めている。

5,000人の学生が登録

現在、Vygoのプラットフォームには5,000人の学生が登録しており、その内、3分の1の学生がチューター(指導員)として登録されている。オーストラリアでは、三人に一人が大学を中退しているとされており、学生同士が助け合うプラットフォームの登場に、投資家たちの食指が動いたようだ。将来的には、海外進出も検討しているというが、詳細は明らかにされていない。

集まった13の出資者

今回、Vygoへの投資を決めたのは13の組織とされている。共同創設者でCEOのベン・ハレットは、「様々なバックグラウンドと経験を持つ投資家たち」と説明しており、教育にシェアリングエコノミーを取り入れるコンセプトに、様々な分野の投資家が集まったことが分かる。ハレットは、The Australian誌の取材に、以下のように話している。

(出資者には)よく知られている投資ファンドも含まれている。国際的な規模で成功している企業や、ビジネスの第一人者、テクノロジーの第一人者、クイーンズランド大学*の講師、様々な形で個別指導のビジネスを成功させている人々だ。

*クイーンズランド大学 オーストラリアでもトップクラスの国立大学。

 

オーストラリアはEdTechを牽引する存在になるか

出資者が投資を決めた理由

それにしても、教育にテクノロジーを取り入れる“EdTech”の分野で、オーストラリアのスタートアップが注目を浴びるのは、意外に思われるかもしれない。だが、Vygoへの出資者でもあるLarsen Venturesのディレクター、アンドリュー・ラーセンは、こう話す。

オーストラリアにおけるEdTechの未来はとても明るい。Vygoと共に仕事ができることを楽しみにしているよ。
学生たちと大学側は、Vygoを迅速に受け入れた。そして、学生たちが必要としているリソースに、手頃な価格で、欲しい時にアクセスできるということが既に結果として証明されている。それが彼らを気に入った理由だよ。

 

Vygoを通して成績が22%上昇

Vygoは、2017年にクイーンズランド大学でサービスの試験提供を開始した。この時は16週間のテストだったが、今ではクイーンズランド州とビクトリア州の学生を中心に、利用者は5,000人を超えるまでになった。CEOのハレットによると、Vygoプラットフォームを利用したことで、学生たちの成績は22%上昇したという。結果が数字で現れているという事実が、投資家たちの背中を強く押すことになったのだ。

 

アメリカでは無料のチュータリングが主流

オーストラリアからVygoのようなプラットフォームが登場した理由の一つには、アメリカの教育システムも関係しているだろう。EdTech先進国のアメリカだが、大学で無料のチュータリングサービスを提供するシステムが定着している。大学の予算で学生を雇い、場所を提供してチュータリングを行わせているのだ。もちろん、雇用契約が生じる上、大学の予算でカバーできるという利点はある。一方で、大学のオープン時間しか利用できない、利用者が現れない間は無駄な時間が生まれてしまうなど、柔軟性に欠く面がある。こうしたシステムの補完的な役割としてであれば、Vygoは海を超えてアメリカで浸透する可能性もあるだろう。

 

学生たちはプラットフォームを乗りこなせるか

確かに、学生たちが新たに登場したプラットフォームに適応し、それを利用して生活に役立てているという事実は、オーストラリアのEdTechの未来に十分期待が持てるということを意味している。プラットフォームを生かすも殺すも、他でもない利用者のリテラシーにかかっているからだ。アメリカでは、シェアライドのUberでドライバーと乗客間のトラブルが多発し、プラットフォーム側は対応に追われることになった。オーストラリアの学生たちは、今後、資金を得て拡大していくVygoをどのように乗りこなすことができるのだろうか。
シェアリングエコノミーを通して躍動を見せる、オーストラリアのEdTechを、今後もチェックしていきたい。

 

Source:

Investors support peer-to-peer uni tutor Vygo

Tutoring startup Vygo raises $500,000 in seed funding for its app bringing the sharing economy to education

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